2016/02/26 更新
正しく使って長持ちさせよう☆南部鉄器で出来た鉄鍋のお手入れ方法
きちんとお手入れをして使えば一生モノの鉄鍋。特に南部鉄器が注目を集めています。また、最近はやりのスキレットも鉄鍋の一つです。油なじみがよく熱効率が良い南部鉄器の鉄鍋とながーくお付き合いするために、正しいお手入れ方法を覚えましょう☆
『南部鉄器』とは
千年前、平泉を拠点に栄えた奥州藤原文化。黄金の都と呼ばれたその繁栄は、中尊寺金色堂の姿からもうかがえます。藤原氏四代は、都から優れた技術者を次々に呼び寄せ、産業の発展に尽くしました。
鉄器づくりもしかり、当時のハイテク産業だったのです。みちのくには、原料となる砂鉄や燃料の木炭などが豊富で鉄器づくりにには適していました。
現在の岩手県は、江戸時代には南部氏が治めていた南部藩と、仙台の伊達藩とに別れていました。両藩とも鉄器づくりを熱心に保護、奨励し育成に努め、全国的にその品質の良さが知られるようになっていきました。そうして、南部の盛岡、伊達の水沢で生産される鉄器を、あわせて南部鉄器と呼ぶようになったのです。
岩鋳(南部鉄器) フライパン24 蓋付
南部鉄器の蓋付きスキレット。
ハンバーグやお好み焼きなどをフライパンのまま食卓に出せるスキレットは、見た目もおしゃれで料理が冷めないので、人気な訳が分かります。
南部鉄器 及源 キャセロールオーバル ココット用キャセロール鍋 鉄鍋
こんなにおしゃれなココットも南部鉄器。グラタンや煮物料理にいかがですか。
南部鉄器 鉄瓶
渋くてかっこいい南部鉄器の鉄瓶。
この鉄瓶でお湯を沸かすと、水がまろやかになり紅茶やコーヒー、緑茶に使うとさらに美味しいものが淹れられます。
南部鉄器の鉄鍋 お手入れ方法①-1
洗剤を使わずに温水で軽くすすぎ、水気をしっかりと拭きましょう。
水気を拭く時、キッチンペーパー等ではなくキッチンクロス(布)がおすすめです。
南部鉄器の鉄鍋 お手入れ方法①-2
鉄鍋を強火にかけて水気を飛ばします。
次第に水が蒸発し鍋肌が乾くので、乾いたらすぐ加熱を止ます。
空炊きのし過ぎはよくないので、30秒くらいまでにしてください。
南部鉄器の鉄鍋 お手入れ方法①-3
鍋に大さじ1程度の食油(オリーブオイル等)を入れて点火し、野菜の切れ端等
をしんなりするまで炒めます。
ここでポイント、油を入れるのは点火前です。鍋肌全体にまんべんなく油をなじませたら炒めた野菜くずを捨ててください。
南部鉄器の鉄鍋 お手入れ方法①-4
なじんだ油が落ちてしまうので、洗剤は使わず、たわしで水洗いします。
この時使うのは、アクリルたわしではなく、亀の子たわしやナイロンたわしがおすすめです。
南部鉄器の鉄鍋 お手入れ方法①-5
にかけて水気を除去し火を止める。
(鍋肌が乾いていくのが見える。鍋の大きさで違ってくるがおよそ30秒程度)
※これで調理開始の準備ができました。
※フタは温水で洗って水気をふきとる程度で十分です。
実際に調理に使用した後の手入れは、①-4→①-5で、最後にオリーブオイルなどをなじませて保管しておくことをおすすめします。
保管場所は、湿気の少ないところが良いので、シンク下等は避けましょう。
南部鉄器の鉄鍋 お手入れ方法②-1
洗剤やクレンザーを使わない
鍋肌の油分がなくなるとサビやすく、こびり付きやすくなります。
南部鉄器の鉄鍋 お手入れ方法②-2
温水を使い、亀の子タワシなどで洗う
スチールタワシは傷が付くので厳禁。
南部鉄器の鉄鍋 お手入れ方法②-3
赤い点々がでたら、上記の「鉄鍋ならし」のSTEP4→STEP5→STEP3
【4:タワシで洗って】→【5:乾かし】→【3:野菜の切れ端を炒めて油をなじませる】を点々が消えるまで数回繰り返してください。
南部鉄器の鉄鍋の魅力①
鉄分が補給できる
『南部鉄器の溶出鉄は、吸収されやすい2価鉄が多いことがあきらかになり、南部鉄器の利用は鉄分の供給効果に有効であることが認められております。(岩手大学教育学部 医学博士 及川桂子氏の研究報告書参照)。』
南部鉄器の鉄鍋の魅力②
水道水を、飲める水に
『鉄瓶で沸かしたお湯は、カルキ(塩素)をほぼ除去しますので、いままで飲めなかった水道水が魔法のようにまろやかな味にかわります。日本茶はもちろんのこと、コーヒー、紅茶などの飲み物、食べ物を美味しくします。最近では日本にとどまらず欧米からも注目されるようになりました。』
南部鉄器の鉄鍋の魅力③
貧血予防に効果絶大
『南部鉄器は、鉄分の補給に効果的であり、アルミやステンレスのケトルなどで湧かしたお湯では得られない効果があります。また、アルツハイマー痴呆症の予防にも、効果があると言われております。』
このように料理をする際の熱効率や耐久性のみではなく、鉄分補給など体に嬉しい効果を持っています。特に南部鉄器の鉄が溶け出しやすく、吸収もされやすいということでテレビなどの媒体で紹介されたこともありました。