2016/04/19 更新
初心者でも安心。茶道における茶道具の使い方とその基本作法
茶道は日本の侘び寂びを象徴する習わしです。興味はあるけれどちょっと敷居が高いと感じてしまいます。茶道具の名前も使い方も解らない、作法も難しそう。そんなイメージですよね。そこで初心者でも安心できる茶道具の使い方とその基本的な作法についてご紹介します。
茶道は安土桃山時代に大成されたとし、堺の商家である千利休によって誕生したといわれています。
千利休は当時の商人や武士たちの人間関係を円滑にするための場として茶室を設け、「侘び茶」を唱え利害関係や権力を捨て去ったリラックスできる空間を作り出したとされています。
茶碗(ちゃわん)
使い方:お茶を点てる茶道具です。薄茶用と濃茶用の茶道具があります。
薄器(うすき)
使い方:薄茶を入れる茶道具です。棗(なつめ)や金輪寺(きんりじ)などさまざまな種類が存在します。
茶入(ちゃいれ)
使い方:つぼ型の容器で濃茶を入れる茶道具です。象牙の蓋で仕覆(しふく)と呼ばれる布を着せた使い方をします。
茶杓(ちゃしゃく)
使い方:薄器や茶入からお茶をすくう茶道具です。。一般的に竹製のものが使用されますが、松や梅、桜などの木からも作られます。
茶人が自作することも多く、茶道具の中で茂重んじられる道具です。
茶筅(ちゃせん)
使い方:お茶を点てる茶道具です。竹製の茶筅が一般ですが、流派によって形や色が違ったりします。
水指(みずさし)
使い方:釜の付近に置き、茶席で必要なお水を入れておく茶道具です。お湯の温度を調節したり、茶碗うあ茶筅をすすぐためなどの使い方をします。
釜(かま)
使い方:お茶を点てるためのお湯を沸かす茶道具です。鉄製でできていて、形や大きさは多種あります。畳に埋め込まれた炉に釜を乗せた使い方と、風炉と呼ばれる茶道具を畳に置き釜を乗せた使い方の2種類あります。
夏場などは風炉を使用します。風炉の釜は小さめの釜を使用します。
柄杓(ひしゃく)
使い方:釜や水指から水を汲むための竹製の茶道具です。炉用と風炉用では茶道具の大きさが異なります。
蓋置(ふたおき)
使い方:釜の蓋を置くための茶道具です。竹製や唐銅(からね)、陶磁器などのさまざまな種類があります。季節に合わせた柄や形状のものがあります。
建水(けんすい)
使い方:茶碗を清めたお湯や、点前で使用した湯水を捨てるための茶道具です。「こぼし」とも呼ばれる茶道具になります。
帛紗(ふくさ)
使い方:お茶を運ぶときや茶杓や茶器を清めるときに使用する茶道具です。男性が紫色、女性が赤色を身につけます。熱い釜の蓋を取る使い方もします。
帛紗を付けた人が亭主側だという目印としたりもします。
古帛紗(こぶくさ)
使い方:お茶を運ぶときや、拝見する茶道具を乗せるときに使う茶道具です。
懐紙入(かいしいれ)
使い方:布製のケースで帛紗などの茶道具を入れる茶道具です。帛紗ばさみとも呼ばれ、ほかには点前やお茶を飲んだ時に清めたり拭くための懐紙(かいし)や扇子などを入れた使い方をします。
軸(じく)
使い方:亭主の姿勢や、茶会のテーマを表すもので、床の間に掛けて使用する茶道具の1つです。
花入(はないれ)
使い方:花を入れて、人を招き入れる茶室の空間を演出するための茶道具になります。季節に応じて陶磁器や竹、竹籠と使い方を分けたりします。
香合(こうごう)
使い方:お香を入れるための小さな器です。炉や風炉の中で焚いて香りを楽しみます。部屋に清浄化を与えてくれます。
はじめに
・時間を気にすることは亭主に失礼にあたりますので、時計は外しましょう。
・コートやフード付きの服は脱ぎましょう。家内と外の区別をつけるため手袋や帽子も
脱ぎましょう。
・畳のヘリや、襖の敷居は踏まないように気を付けましょう。
作法~茶菓子~
・お茶が出される前に食べます。
・手前を輪にした懐紙に1個づつ取ります。複数種類ある場合は1種類1個づつ取ります。
・茶道具のようじで練切やようかんなどは2~3口に切って食べます。
お饅頭などは手で2つに割り食べます。
千菓子などは手で懐紙に取り、手で食べます。
作法~お茶~
・お茶が運ばれたら茶碗を手に取ります。このときお隣の方に「お先に」と声掛けをしまし
しょう。
・左手に茶碗を乗せ右手を添えます。
・茶碗の正面を左あるいは右に2回にわたって回しずらします。正面を避けて飲みます。
・飲み終わったら、人差し指と親指で軽くなぞり、懐紙で指をふき取ります。
・茶碗を置くときは、亭主に正面側を向けておきます。
いかがでしたか。上記にあげた茶道具や使い方、作法は茶道の基礎にあたります。その他にもさまざまな茶道具や使い方があり、作法も奥深くまであります。焦らず少しずつ茶道具や使い方など覚えていってもらえればと思います。
茶道具は身近な生活では耳にすることがない用語がたくさんあります。使い方も茶道ならではの使い方でした。
茶道に興味をもち、始めたい方に少しでも参考になれたらいいと思います。